【DRAGON ART CALENDAR】2008年7月


アートカレンダー 2008年7月

注目の展覧会情報
「対決 巨匠たちの日本美術」「静物画の秘密展」「青春のロシア・アヴァンギャルド」、塩田千春、町田久美、榎忠らの個展など、 10の展覧会を紹介

 

【上野】 東京国立博物館 平成館●対決 巨匠たちの日本美術 7月8日〜8月17日
http://www.asahi.com/kokka/index.html
日本美術史に名を刻む中世から近代までの巨匠を、ふたり1組で組み合わせ、その作品を文字通り「対決」させるというユニークな試み。安土桃山時代、実際にライバル関係にあったという狩野永徳と長谷川等伯をはじめ、雪舟vs雪村、宗達vs光琳、若冲vs蕭白、応挙vs芦雪、歌麿vs写楽など24人の関係性に注目しながら、作品を比べて観ていくと、その個性がいっそう際立って見えてくる。

 

【六本木】 国立新美術館●静物画の秘密展 9月15日まで
http://wien2008.jp/
オーストリア・ハプスブルグ家の美術コレクションをもとに創設されたウィーン美術史美術館。その豊富なコレクションのなかから、17世紀オランダを中心にヨーロッパ各地で展開した静物画に焦点をあてる。美しい花々、瑞々しい果実、輝く食器、そして不気味な頭蓋骨……「静物(スティル・ライフ)」とは黙した生命であり、やがて朽ちゆく運命を内包している。この展覧会では「市場・台所・虚栄の静物」「狩猟・果実・豪華な品々・花の静物」「宗教・季節・自然の静物」「風俗・肖像と静物」の4つのセクションで構成。ベラスケス作《薔薇色の衣裳のマルガリータ王女》をはじめとする75点の秀作でその秘められた物語と魅力をひもとく。  

 

【用賀】 世田谷美術館●建築がみる夢 石山修武と12の物語 8月17日まで
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html
下水管などに使用する工業用パイプを使った《幻庵》(1975)や、現代建築において左官の技術を蘇らせた《伊豆の長八美術館》(1984)など、従来の概念にとらわれることなく、つねに建築とは何かを問い続けている建築家・石山修武にスポットをあてる。この展覧会では、廃材を再利用しながら緩やかに建設作業を続けている自邸《世田谷村》や、募金活動で資金を集め、少しずつレンガを積み、10年以上の年月をかけて2006年に完成した《ひろしまハウス》など、12のプロジェクトを紹介する。 

 

【渋谷】 Bunkamuraザ・ミュージアム●青春のロシア・アヴァンギャルド シャガールからマレーヴィチまで 8月17日まで
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/08_moscow/index.html
20世紀前半に花開いたロシア・アヴァンギャルド。フランスのキュビスム、イタリアの未来派をベースに、立体未来派、さらにスプレマティズムという抽象化への究極へと発展し、建築など他の造形芸術も取り込んだロシア構成主義として、芸術における革命を推進する。しかし20年代にスターリンの登場によって、社会主義的リアリズムと呼ばれる規範的、全体主義的な様式に移行。内戦を避けて多くの芸術家が国外に亡命して、ロシア・アヴァンギャルドは終焉を迎えることになる。この展覧会では、モスクワ市近代美術館所蔵の作品から、ロシア・アヴァンギャルドの中心的な役割を果たした画家を紹介し、また、20世紀ロシア美術の流れを展観する。マレーヴィチやグルジアの画家ピロスマニなど、30作家70点が展示される。  

 

【横浜】 横浜美術館●茂木健一郎・はな・角田光代・荒木経惟 4人が創る「わたしの美術館」展 8月17日まで
http://www.jiu.ac.jp/yma/2008/fourviews/index.html
茂木健一郎・はな・角田光代・荒木経惟の4人のゲストキュレーターが、横浜美術館のコレクションから作品をセレクト、ゲストごとに4つのセクションで構成。荒木経惟氏のコーナーでは、この展覧会のために制作した新作も公開。 8月9、10日には、当サイトで連載中のアートテラー・とに〜氏のトークも開催予定。

 

【銀座】 夢の饗宴 歴史を彩るメニュー×現代のアーティストたち 8月6日まで
http://www.shiseido.co.jp/gallery/html/index.htm
フランス在住のコレクター、立松弘臣氏のメニューコレクションをもとに、「おもてなし」の空間をクリエイティブユニットgraf media gmが演出。今年が日仏交流150年ということから、1858年からのメニューを選んで展示。また、音楽や書、漫画、料理、ファッション、写真などさまざまなジャンルのクリエイターがメニューにインスパイヤされた作品を発表する。  

 

【目黒】 目黒区美術館●画材と素材の引き出し博物館+ワークショップ20年のドキュメント展 8月31日まで
http://www.mmat.jp/
開館して20年の目黒区美術館は、オープン当初から教育普及活動に力を入れてきた。ワークショップという言葉が定着する前から、体験を重視したプログラムを企画、春と夏の年2回、幅広い層を対象にしたワークショップを展開している。この活動をドキュメント写真と参加者の作品で紹介するほか、画材やさまざまな素材の特性を引き出しにレイアウトしたオブジェ「画材と素材の引き出し博物館」も合わせて展示し、美術館における教育普及の可能性を提示する。 

 

【大阪】 国立国際美術館B2フロア●塩田千春展 精神の呼吸 9月15日まで
http://www.nmao.go.jp/japanese/home.html
ベルリンを拠点に国際的に活躍する美術作家の個展。絡まった毛糸や割れたガラス窓、履き古された靴、焼けたピアノなどを使い、圧倒的な物量感でインスタレーション作品に仕上げる塩田の作品は、これまで多くの国際展で注目を集めてきた。今回は国内で初めて発表される靴を使ったインスタレーションや泥のついたドレス、鉄枠の中に糸を張り巡らせた作品に、映像、写真を加えて、塩田千春の世界を紹介する。
 
 

【高崎】 高崎市タワー美術館●町田久美 日本画の線描 ことばを超えて語る線 8月24日まで
http://www.city.takasaki.gunma.jp/soshiki/art_museum/t/exhibit.htm
墨による細い線を重ね、太い輪郭線をつくる独特の画風で、日本画の既成概念を打ち破り、国内外で注目されている町田久美。今回は町田の作品37点とともに、伊東深水や上村松園らによる線描を活かした日本画を展示。現在の日本画とそこに息づく伝統的な技法と表現を見ていく。 

 

【札幌】 札幌宮の森美術館●この男、危険。榎忠展 8月10日まで
http://miyanomori-art.jp/exhibitions.html
頭髪やヒゲなどの半分をそり落とした“半刈り”姿でハンガリーに行くなど、ハプニングやパフォーマンスを続けながら、鉄の廃材や金属部品で、全長数十メートル、総重量数十トンというとてつもないスケールの作品を制作してきた榎忠。2006年の大阪での大規模な個展や、昨年の豊田市美術館での篠原有司男との二人展、同年の森美術館「六本木クロッシング2007:未来への脈動」展の受賞など、近年再評価されている。64歳をむかえるいまも勢力的な活動を続けている榎の過去と現在にせまる。 
 
 

【INFORMATION】 9月13日に開幕する「横浜トリエンナーレ2008」。3回目となる今年は横浜港の新港ふ頭に新設される「新港ピア」会場を中心に周辺各地で開催。現在前売券発売中。 http://yokohamatriennale.jp/2008/ja/

text by Noriko Tsuchiya

DRAGON ART CREATOR’S REVIEW • Powered by Wordpress • Management by Kouhei Muramatsu • Logo&Icon Kintaro Takahashi