【DRAGON ART CALENDAR】2008年5月
アートカレンダー 2008年5月
注目の展覧会情報
「バウハウス・デッサウ展」「大岩オスカール―夢見る世界」「モーリス・ド・ヴラマンク展」など、10の展覧会を紹介
【上野】東京都藝術大学大学美術館●バウハウス・デッサウ展 7月21日まで
http://www.bauhaus-dessau.jp/
1919年、ドイツ・ヴァイマールに設立された造形芸術学校、バウハウス。1933年にナチスによって閉校となる14年のあいだに、デッサウ、ベルリンとその拠点を移しながらも、クレーやカンディンスキーなど一流のアーティストによる講義が行われ、のちのアート、デザインの世界に大きな影響を与えた。この展覧会では日本初公開となる146点を含む計260点のプロダクトと資料により、
デッサウ期(1925-1933)を中心に、芸術と技術の統一を目指したその活動を追っていく。
【清澄白河】東京都現代美術館●大岩オスカール―夢見る世界 7月6日まで
http://www.oscar-oiwa-mot.com/#
1965年、ブラジル移民二世としてブラジルに生まれた大岩オスカールは、サンパウロ、東京、ロンドン、ニューヨークとその拠点を移しながら、物語性と社会風刺に満ちた迫力ある作品を次々に発表してきた。今回、日本で初めての大規模個展を開催。サンパウロ時代の初期作品から、91年、サンパウロ国際ビエンナーレに出品された代表作、さらに最新作や絵本『はじめてのアート』原画まで、大岩オスカールの世界をあますところなく紹介。不穏な黒雲が立ちのぼるマンハッタンの上空に花が咲き乱れる『ガーデニング』や、都市の工事現場に忽然と現れる『ノアの方舟』など、空想と現実とが交錯する作品は観る人の想像力をおおいに刺激するだろう。
【上野】東京都美術館●芸術都市パリの100年展 ルノワール、セザンヌ、ユトリロの生きた街 1830-1930 7月6日まで
http://www.tobikan.jp/
日仏修好通商条約締結150周年を記念して、ルーヴル、オルセー、ポンピドゥー、プティ・パレといったフランスを代表する美術館からパリをテーマに描いた近代絵画の名品が一堂に会する。ルノワール、セザンヌらの油彩画やロダンの彫刻、そのほか素描や写真、版画など150点で、パリという洗練された都市の情景とそこに生きる人々を浮き彫りにしていく。
【新宿】損保ジャパン東郷青児美術館●没後50年 モーリス・ド・ヴラマンク展 6月29日まで
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/index.html
ヴァイオリン奏者や競輪選手として生活しながら、独学で絵を学んだヴラマンク(1876-1958)の没後50年を記念した展覧会。鮮やかな色彩と自由なタッチの作品を手がけたフォーヴ時代、セザンヌの影響を受け、端正な構図と渋い色合いの作品に変化した時代、さらには渦巻くようなスピード感溢れる筆致と重厚な色彩でドラマティックな作品を生み出していった時代を追いながら、約70点の作品で、佐伯祐三や里見勝蔵ら多くの日本人画家に影響を与えた画家の足跡をたどる。
【町田】国際版画美術館●熱帯・楽園・浪漫 美術家たちの「南洋群島」展 6月22日まで
http://www.city.machida.tokyo.jp/event/shisetsubetsu/hanga/kikakuten/kikakuten03/index.html
高知県立美術館、沖縄県立博物館・美術館を巡回
明治時代、「南進論」のかけ声とともにサイパンやパラオなどミクロネシアの島々に進出を開始した日本。やがてその海域を「南洋群島」と帯、第一次世界大戦勃発と同時に占領し、1921年には国際連盟の承認を得て統治しはじめた。その南の島々に、ゴーギャンのように文明からの解放を求めて、あるいは民族誌学的関心などから、日本の芸術家たちが訪れ、土地にインスパイアされた作品を生み出したり、この地で偶然に出会い影響し合ったりもした。この展覧会では、南洋群島で結ばれた土方久功、杉浦佐助、儀間比呂志の師弟関係を軸にしながら、赤松俊子(丸木俊)、川端龍子らの作品約160点の作品を公開、知られざるもうひとつの日本の近代美術史を明らかにする。
【平塚】平塚市美術館●村田朋泰展―夢がしゃがんでいる 5月25日まで
http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/2008201.htm
Mr.Childrenのヒット曲『HERO』のプロモーションビデオで知られる村田朋泰は、哀愁やノスタルジー、倦怠感や喪失感を表現する立体アニメーション作家。近年は立体アニメだけでなく独特な意匠を盛り込んだインスタレーションを発表している。今回はジュークボックスを改造し、”夢の観光地・三ノ函半島”の60もの名所が見られるという趣向の「百色旅館ジュークボックス」や、懐かしいゲームが楽しめるコーナーなどを設置し、そのレトロな感覚を展開。最新作や代表作のアニメーションも多数上映される。会期中は村田氏と映画監督・山下敦弘や作家・諏訪哲史らとのトークショーも開催される。
【高崎】高崎市美術館●アントニン&ノエミ・レーモンド展 建築と暮らしの手作りモダン 5月25日まで
http://www.city.takasaki.gunma.jp/soshiki/art_museum/a/exhibit.htm
フランク・ロイド・ライトのもとで学び、1919年、帝国ホテル建設の際に来日したチェコ出身の建築家、アントニン・レーモンド。日本人建築家に大きな影響を与え、また国内に多くの足跡を残した。この展覧会では家具や布地をデザインした夫人のノエミ・レーモンドの仕事にも注目。ふたつの世界大戦下という激動の時代、ヨーロッパ、日本、アメリカと創作の場を変えながらも、人間性溢れるデザインを求め続けた夫妻の実像に迫る。高崎にあるゆかりの建築「群馬音楽センター」「高崎哲学堂」も合わせて見学したい。
【宇都宮】宇都宮市美術館●パスキン、エコール・ド・パリの「リベルタン(自由人)」7月13日まで
http://u-moa.jp/jp/exhibition/index02.html
1885年、ブルガリアに生まれたユダヤ人のユリウス・モルデカイ・ピンカスは、ピンカスのつづり字を並べ替え、「パスキン」と名乗り、45歳で自死するまで、画家として膨大な数の作品を残した。フォービズム、キュビスムなど20世紀初頭の芸術運動の洗礼を受けながらも、それにとどまることなく、ヨーロッパ、カリブ、アメリカなどを放浪しながら、独自の表現を追い求めた。この展覧会は北海道立近代美術館所蔵のパスキン・コレクションから厳選した149点を公開し、孤高の画家パスキンの魅力を伝える。
【三鷹】三鷹市美術ギャラリー●中右コレクション 幕末浮世絵展-大江戸の賑わい 北斎、広重、国貞、国芳らの世界 6月8日まで
http://mitaka.jpn.org/calender/gallery/
国際浮世絵学会常任理事・中右瑛(なかう・えい)氏の膨大な浮世絵コレクションから、江戸時代の末期に制作された浮世絵にスポットを当てる。遊郭や歌舞伎を舞台にした美人画、役者絵をテーマにした初期から、歌麿、写楽が活躍した寛政期(18世紀後半)にピークを迎えた浮世絵は、幕末の1830年代以降、明治にかけて、その主題を一気に拡大し、庶民のさまざまな要望を反映するメディアへと成長を遂げる。当時の旅行ブームを背景に確立した風景画、幽霊芝居や魔界小説を下敷きにして描かれた武者絵、幕府の改革に対する風刺画、黒船来航を機に登場した開国画……。西洋画を模倣して描いたものや限られた情報から作られた異国の風景など、いま観ても興味深い豊かなイマジネーションが広がっている。肉筆20数点を含む約150点を展示。
【川口】川口市立アートギャラリー・アトリア●マイ・アートフル・ライフ 描くことのよろこび 5月25日まで
http://www.atlia.jp/news/index.html
人生半ばを過ぎてから絵を描きはじめ、その後評価された3人の画家を取り上げた展覧会。500号の巨大な抽象画を描き、86歳の今も大作に取り組む86歳の石山朔、還暦を過ぎ、より意欲的に制作を続けた塔本シスコ(1913-2005)、丸木スマ(1875-1956)の作品と人生を紹介する。正規の美術教育を受けず、独学でそのスタイルを確立した彼らの作品はユニークであり、どれも「描くことのよろこび」に満ちあふれ、エネルギーいっぱいだ。

