【DRAGON ART CALENDAR】11月〜12月


さあ、何を見に行く?

アートカレンダー 11/20〜12/19

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〈feature 1〉地方都市で開催中。”熱い “展覧会

【金沢】金沢21世紀美術館●荒野のグラフィズム 粟津潔展 11月23日〜2008年3月20日まで
http://www.kanazawa21.jp/exhibit/awazu/index.html
映画と美術雑誌を教科書がわりに独学で学び、戦後直後の混乱期にその表現活動をスタートさせた粟津潔。グラフィック・デザインの礎を築き、絵画やポスター、ブックデザイン、版画、建築、音楽、映像、パフォーマンス、演劇など多彩なジャンルを縦横無尽に行き来した。印刷技術によるイメージの複製と量産の領域に突入するなかで、前近代的ともいえる表現手法を探り当て、独自の世界を確立した。
金沢21世紀美術館に寄贈された作家本人所蔵の2600点の中から、今回は約 1500点を公開。1977年サンパウロ・ビエンナーレに出品した《グラフィズム3部作》の再現や、「阿部定」(1969)など実験映画の上映、ライブ、トーク、ワークショップなど粟津潔の全貌と「いま」を見せていく。

【愛知 豊田】豊田市美術館●ギュウとチュウ 篠原有司男と榎忠展 12月24 日まで
http://www.museum.toyota.aichi.jp/japanese/index.html
75歳を迎えた現在も前衛芸術の先端を走り続ける篠原有司男と、関西を拠点に活動し、型破りな作品で数々の伝説を持つ榎忠。「ギュウちゃん」と「チュウさん」による “ガチンコ勝負”が実現。それぞれ豊田市美術館の展示空間にあわせた新作を制作。篠原は、高さ8m、幅延べ50mにわたる大壁画の部屋を設けると共に、全長 8mほどのダンボール製オートバイ彫刻を展示。榎は、総重量10トンに及ぶ金属パーツを組み上げた作品や、「パトローネ」と呼ばれる写真フィルムの円筒形容器14トンを使用した大掛かりなインスタレーションを作り上げた。自らの衝動や欲望につき動かされた、圧倒的な肉体性と過剰なまでの物質性が見るものを驚かせる。

【福岡】福岡県立美術館●菊畑茂久馬と物語るオブジェ 2008年1月14日まで
http://fpmahs1.fpart-unet.ocn.ne.jp/cont_j/topics/topics_det1_10.php?TOPICS_ID=120
1960年代に誕生した前衛美術集団「九州派」のメンバーとして活動し、その後近代美術史に関する著作で戦後美術の動向に問題提起を続けてきた菊畑茂久馬( 1935〜)。60年代末からの約15年間、発表を目的としない、自らの創作の源をたどる「原器」としてのオブジェの制作に没頭した。作品は写真に撮り、平面化・版画化するなどさまざまな試みを経て、 80年代以降、次々と大作を発表するようになる。今回は99点のオブジェが展示され、芸術家の知られざる一面が紹介される。

【沖縄】沖縄県立美術館●開館記念展「沖縄文化の軌跡1872〜2007 」2008年2月24日まで
http://www.museums.pref.okinawa.jp/art/index.jsp
11月1日、沖縄県に初めての県立美術館がオープンした。博物館と併設で、琉球石灰岩を使った外観は、世界遺産「グスク(城)」をイメージしたもの。美術館の開館記念展は、琉球王国が琉球藩とされた 1872年前後から、現代までの沖縄の文化の流れを、絵画や彫刻、工芸、音楽、文学など、約500点で紹介する。藤田嗣治が沖縄の紅型を着た老婦人とふたりの孫を描いた《孫》や、葛飾北斎の《琉球八景》など、著名な芸術家の南国への関心が伝わる作品や、沖縄の風土や人間を描いた地元作家、移民2世ら、北米や南米で活躍する沖縄ゆかりの作家、米軍基地問題を扱う現代作家など、これまでまとまって紹介されることの少なかった沖縄のアーティストの作品が並ぶ。
 

〈feature 2〉サイエンス×アート

【千葉】千葉市立美術館●星と宇宙 宇宙とアートの意外な関係 2008年1月6日まで
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2007/1111_1/1111_1.html
千葉市科学館の開館を記念して、千葉市美術館の現代アートコレクションから、「星と宇宙」に関連する作品をセレクト。発光ダイオードのデジタルカウンターを使い、展示室の床に星空をつくりだす宮島達男の《地の天》や、月を音符に見立てた野村仁の《ムーン・スコア》をはじめ、トーマス・ルフ、草間彌生など9人の作品を展示する。

【水戸】水戸芸術館現代美術ギャラリー●松井龍哉展 フラワー・ロボティクス 2008年 1月27日まで
http://www.arttowermito.or.jp/matsui/matsuij.html
人間型ロボット「Posy」や「Palette」などの開発で知られるロボットデザイナー松井龍哉の仕事を紹介。科学技術の側面のみならず、デザイン、環境、マーケティングなど複合的な視点からロボット産業をとらえる「フラワー・ロボティクス社」を会場に創出させ、 デザインや研究開発などのプロセスを見せていく。人と技術、それぞれの限界を冷静に受け止め、互いに補完するような関係を理想とする松井の世界に触れてみよう。

 

〈feature 3〉「彫刻」の過去・現在・未来

【竹橋】東京国立美術館●日本彫刻の近代 12月24日まで
http://www.momat.go.jp/Honkan/Sculpture2007/index.html
 西洋の「Sculpture」に対応する「彫刻」という概念が日本に本格的に移入されはじめたのは明治 30年代のこと。やがて芸術家個人の自由な表現が生まれるのは明治末年から大正初めにかけて、荻原守衛や高村光太郎らの活躍がきっかけとなった。その後、ロダンの弟子のブールデルや、マイヨールらに学んだ彫刻家たちが、20世紀の思潮を持ちかえる一方、伝来の木彫界でもさまざま変遷があり、さらに戦後には多種多様な素材・技法による抽象表現が登場する。
この展覧会では幕末・明治期から1960年代までの近代日本彫刻史を、高村光雲の代表作《老猿》(重要文化財)をはじめ、 68名の彫刻家の約100点の作品によってたどる。

【上野】東京藝術大学大学美術館陳列館●物語の彫刻 12月2 日まで
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2007/chokoku/chokoku_ja.htm
東京藝術大学彫刻科では、1997年から現代彫刻のあり方を問う企画展を隔年で開催してきた。5回目となる今回は「物語の彫刻」。仏像のように、信仰の対象として作られ、宗教的な教えや哲学、物語などが表現されていた「彫刻」に対して、現代の彫刻が内包する「物語性」とは何かを問いかける。教員や助手 10人のほか、招待作家3人が参加。

【鶯谷・日暮里】旧平櫛田中邸●アトリエの末裔あるいは未来 11月22 日から12月2日まで
http://www.geidai.ac.jp/labs/denchu/topframeset-32.html
108年の永き生涯にわたって近代木彫の発展を担った平櫛田中(1872―1979 )の旧邸を使用し、東京藝術大学彫刻科木彫研究室の教員、大学院生が展示を行う「アトリエの末裔あるいは未来」シリーズ。3回目の今回は25人が出品する。1923年、横山大観や下村観山の支援で台東区上野桜木に建てられた旧邸は通常は非公開。大正期のアトリエ建築を知る上でも貴重な建物だ。

【京都】京都造形芸術大学 芸術館●TRAVELER 2000年後のミュージアムへようこそ  12月21日まで
http://kuad-ahc.com/geisou.html
携帯電話、印象派の絵画、招き猫、キャラクター人形……身の回りにある品が2000 年後に出土されたら……。そんな「2000年後から見た現代」をテーマに作品を発表している美術家・柴川敏之の作品が、京都造形芸術大学芸術館収蔵の縄文土器とともに展示される。柴川が取り組む子どもたちとのワークショップで制作された作品も並ぶほか、懐中電灯を片手に探検調査するギャラリートークも随時開催。

 

〈pick up〉そのほか、注目の展覧会

【両国】江戸東京博物館●北斎 ヨーロッパを魅了した江戸の絵師 12月4 日〜1月27日まで
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/kikaku/page/2007/1204/200712.html
最近の研究で、長崎の出島に滞在したオランダ商館長たちが、4年ごとの江戸参府の際、葛飾北斎らの絵師に肉筆の風俗画を注文し、その作品を祖国に持ち帰っていたことが判明した。現在、オランダ国立民俗学博物館とフランス国立図書館に所蔵されているこれらの風俗画が、今回、初めて里帰りする。この展覧会ではこれまで知られてこなかった北斎の作品をもとに、シーボルトとの交流にも着目。
さらに、65年ぶりに発見された《四季耕作図屏風》も公開。《北斎漫画》《富嶽三十六景》などよく知られた作品と、里帰りする知られざる作品の両面から、北斎の全貌に迫る。

【佐倉】佐倉市美術館●カオスモス’07さびしさと向き合って 12 月24日まで 
http://www.city.sakura.lg.jp/museum/exhibition/chaosmos07.htm
カオスモスとは、カオス(混沌)とコスモス(秩序)からなる造語で、難解とされがちな現代美術を読み解く同美術館の恒例企画。今回は病や悲しみ、悩みなと、何らかの「痛み」を起点として表現活動を展開した作家たちに焦点をあてる。逃れようのない苦を直視し続けた独白のような作品や、痛みを乗り越えた先にかいまみた風景など、4人の作家による作品が並ぶ。

【葉山】神奈川県立近代美術館 葉山●プライマリー・フィールド 美術の現在―七つの〈場〉との対話  11月23日〜1月14日
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2007/primary/index.html
「プライマリー・フィールド」とは、「原初的な場」もしくは「基本的な場所」という意味。吉川陽一郎、多和圭三、大森博之、石川順惠、青木野枝、坂口寛敏、さかぎしよしおうら7人の現代美術家による1990 年頃から制作された平面、立体作品と、新作を紹介する。
作品はそれぞれ「シンプルな作品の構造」「素材の特性を生かす」「光や空気といった場の要素を生かす」「身体や行為と空間の関わりの重視」といった特徴を持っている。連続した7つの個展を訪れる感覚で、一貫した姿勢で根源的な力強さを表現してきた7人の作家の作品に向き合いたい。

【板橋】板橋区立美術館●ブルーノ・ムナーリ あの手この手 12月1 日〜2008年1月14日
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/art/schedule/e2007-05.html
先月のアートカレンダーでも紹介したイタリアの総合クリエイター、ブルーノ・ムナーリ (1907-1998)。絵画・デザイン・美術教育などの分野で多岐にわたる活動を展開した。この展覧会では、しかけ絵本や彫刻としての「読めない絵本」など、彼が生涯にわたってかかわり続けた「本」の仕事を手がかりに、その自由で斬新な思考の軌跡をたどる。
ムナーリの書籍を中心に、日本ではほとんど紹介されていない未来派時代の油彩画やスケッチ、絵本原画、映像作品を展示するほか、瀧口修造、武満徹、柳宗理、福田繁雄ら日本の文化人やアーティストとの交流もあわせて紹介。 10のテーマに沿って、約330点が一堂に会する。

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