【DRAGON ART CALENDAR】8月〜9月


さあ、何を見に行く?

アートカレンダー 8/20〜9/19

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〈feature 1〉東京近郊で開催中 話題の企画

【横浜】横浜美術館●森村泰昌-美の教室、清聴せよ 9月17日まで
http://www.yaf.or.jp/yma/exhibition/2007/special/02_morimura/index.html
名画の登場人物や女優に扮したセルフポートレートや、映画、演劇、パフォーマンスなど幅広く活躍している森村泰昌による、”美術の体験教室”。森村が西洋美術史上の名画に扮する「美術史シリーズ」を中心に80点を紹介するのだが、ユニークなのはその手法。観客は音声ガイドで作家の解説を聞きながら、1時間目の「フェルメール・ルーム」から、6時間目の「ゴヤ・ルーム」、さらには放課後の「ミシマ・ルーム」まで、まるで授業を受けるように観ることができ、最後に簡単な試験を受けると修了証も発行されるという趣向。作家のフィルターを通した「名画」の歴史をたどりながら、「自画像」「ものまね」「笑い」という森村作品のエッセンスを感じられるだろう。

【北浦和】埼玉県立近代美術館●勅使河原宏展 限りなき越境の軌跡 10月8日まで
http://www.momas.jp/3.htm
映画、陶芸、書、作庭、竹のインスタレーションなど、ジャンルを超えた創作で知られる勅使河原(1927-2001)の、没後初の回顧展。父・蒼風が草月流を創流した年、長男として生まれた勅使河原が最初に目指したのは画家であった。東京美術学校(現東京芸術大学)日本画科に入学するが、戦後は前衛芸術運動に身を投じ、岡本太郎を通じ安部公房らの「世紀」の会に参加する。その後、映画の道に進み、1953年、『北斎』を制作。1964年、『砂の女』でカンヌ映画祭審査員特別賞を受賞。一方、草月アートセンターのディレクターとして、現代音楽、ジャズ、モダンダンス、実験映画など、海外や国内の芸術家が交流する場を生み出した。映画上映、講演会、生け花ワークショップやコンサートなど、幅広い活動と交流を裏付ける関連企画も多数行われる。

【水戸】水戸芸術館●ひびのこづえの品品 たしひきのあんばい 10月14日まで
http://www.soum.co.jp/mito/kodue/koduej.html
コスチューム・アーティストとして20年のキャリアを持ち、舞台や広告、プロダクトで活躍しているひびのこづえ。彼女が衣裳にとどまらず、”日常におけるアート”の追求として、家具を発表。ビーズクッションの可動式ベッドなど、気持ちよく生活することを考えてつくられたツールは、アヴァンギャルドなテイストを持ちながら商品として流通することを義務づけられ、その両端のベクトルのあいだでせめぎあい、それゆえに魅力を発揮する。大きな個人宅に見立てた会場には、テーブル・椅子・ベッド・風呂や絨毯などがしつらえられ、それらを実際に購入することができる。

 

〈feature 2〉クロスオーバーする日本美術

【六本木】サントリー美術館●「BIOMBO/屏風 日本の美」展 9月1日〜10月21日まで
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/07vol03biombo/index.html
「BIOMBO(ビオンボ)」–なんとも耳に残るこの言葉は、ポルトガル語やスペイン語で「屏風」をさす。近世の初期、南蛮貿易の品として、盛んに海を渡り、現地の言葉として定着していたのだ。この展覧会では、屏風の成立やその種類を紹介しながら、グローバルな視点で屏風がたどった歴史や、もとめられた機能、とりわけ文化交流の側面で屏風が果たした役割に光をあてる。江戸幕府が親善の証としてオランダ国王に贈った屏風が日本に初めて里帰りするほか、アメリカのクリーブランド美術館やドイツ・ケルン東洋美術館など海外に分かれて所蔵されている『祇園祭礼図屏風』が初めて一堂に集められ公開されるなど、みどころがいっぱいだ。

【練馬】練馬区立美術館●山口晃展 今度は武者絵だ! 9月17日まで
http://www.city.nerima.tokyo.jp/museum/tenji/yamaguti-ten.html
5月に開かれた合田誠との二人展「アートで候。」で話題を集めた山口晃が、早くも大規模な個展を開催。古今東西、時代と空間を独特の感性でミックスさせ、大和絵の手法を取り入れながら緻密に構成する風景画がおなじみだが、今回は彼が学生時代から取り組んでいる「武者絵」に焦点を当てる。「メカ武者」や「バイク馬」といった想像上のモチーフや、合戦図に描き込まれた題材の謎にせまりながら、初期の代表作から新作までを展示する。

 

〈feature 3〉奇妙、クール、キュート…どれを観る?

【原宿】ラフォーレミュージアム原宿●ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 アリス、あるいは快楽原則 8月25日〜9月12日
http://www.lapnet.jp/eventinfo/img/cm/lm/070825_svankmajer/content.html
人形などを使い、コマどりのアニメーションと実写とでシュールな世界を描くことで知られるチェコのアーティスト、ヤン・シュバンクマイエル。昨年は映画「ルナシー」が公開され、ファンを魅了した。美術や衣装を担当してきた公私に渡るパートナーで、2005年に惜しくも世を去ったエヴァとともに制作した代表作「アリス」をはじめ、絵画や立体などを、「錬金術(秘技)」「夢とエロティスム(快楽原則)」など9つのキーワードに沿って、自身のセレクトによる200点を展示。江戸川乱歩の『人間椅子』のために描いたイラストなども公開される。

【外苑前】ワタリウム美術館●バリー・マッギー展 9月30日まで
http://www.watarium.co.jp/exhibition/index.html
アメリカ西海岸で「TWIST」という署名でグラフティ・アートを発表し、2001年のベニス・ビエンナーレなどで美術界にその存在を知られるようになったバリー・マッギー。キース・ヘリングが華々しく活躍した80年代への憧憬を秘めつつ、変化し続ける「いま」を作品に取り込んでいる。「僕が描く男は、ホームレスの多いサンフランシスコ特有の、ここではどこにでもいるような存在。彼らはみんなそこから自由になりたいと思っているし、それはグラフィティとちょっと似ている。僕がグラフィティで主題にしているのはホームレス、浮浪者、街が排除しようとしているもの、隠そうとしていること、存在していないふりをさせられているものを取り上げ、みんなに見せることだ」と語るマッギーが来日し作り上げた世界には、自由な精神がみなぎっている。

【銀座】メゾンエルメス8Fフォーラム●ホルヘ・パルド展 Untitled/無題 9月9日まで
ロザンゼルスを拠点に活動するキューバ出身のアーティスト、ホルヘ・バルドは、建築、美術、デザインのジャンルを縦横に行き来しながらさまざまな表現を展開している。ダンスをテーマにした今回の展示は、おもちゃのような木のオブジェが並ぶインスタレーション。キュートで洗練された世界が広がっている。

〈DATA〉
中央区銀座5-4-1 11:00〜19:00(入館は30分前まで)
無休 入場無料
東京メトロ 銀座駅B7出口すぐ

 

〈feature 4〉バレエ、サーカス…華やかなりし身体表現と絵画との関係

【新宿】損保ジャパン東郷青児美術館●サーカス展 解き放たれたイメージ 9月2日まで
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/index.html
近代サーカスが誕生したのは1770年頃のイギリスといわれ、その後フランス、ドイツ、アメリカで様々なサーカス団が結成された。日本では1864年のアメリカのリズリー一座を皮切りに、各国のサーカス団が来日。日本の軽業芸人も海外で活躍するようになり、日本独自のサーカス団も生まれて現在に至っている。サーカスに魅了された芸術家は数多く、西洋ではピカソ、マティス、ルオー、シャガール、レジェ、クレー、ビュフェなど、さまざまな画家たちがモチーフにした。今回は、フランスに留学して彼らの作品に影響を受けた安井曽太郎、東郷青児、長谷川潔ら、さらに恩地孝四郎、瑛九など日本人作家の作品も合わせて、約90点を紹介する。
【白金】東京都庭園美術館●舞台芸術の世界 ディアギレフのロシアバレエと舞台デザイン 9月17日まで
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/stage/index.html
20世紀初頭に活躍したディアギレフ率いるロシアバレエ団(バレエ・リュス)は、革新的な絵画やデザイン、音楽や舞踏などが融合し、総合芸術としてヨーロッパを席巻した。斬新な舞台は、同時代の舞台芸術だけでなく、アール・デコ様式の源泉のひとつとなるなど、他のジャンルにも大きな影響を与えた。
この展覧会では、ニューヨーク、パリ、ロンドン、サンクトペテルブルク、日本国内から集められた約190点の作品と資料が紹介される。舞台や衣装のデザイン画、実際に使用された舞台衣装、ポスター、上演プログラム、再現映像などで、バレエ・リュスをはじめ、20世紀初頭から1945年までのロシアのバレエ、オペラ、演劇といった舞台芸術の世界を華やかに振り返る。

 

そのほか、注目の展覧会—-写真、映像、イラストレーション

【恵比寿】東京都写真美術館●キュレーターズ・チョイス07 対話する美術館 10月8日まで
http://www.syabi.com/details/curator07.html
館長をはじめ、学芸員や専門調査員、図書館司書など、東京都写真美術館の専門スタッフが膨大な収蔵品や図書、資料から、”本当に見せたい”と思う作品約190点をチョイス。2回目の今回はテーマを「対話する美術館」とし、作家と作品、あるいは選者と鑑賞者などの「対話」を浮き彫りにしていく。通常の企画では観ることのできない秘蔵作品も多数出品されるという。

【多摩市】多摩美術大学美術館●東方のイラストレーションポスター 9月2日まで
http://www.tamabi.ac.jp/museum/exhibition/default.htm
近年、世界各国でポスターの国際ビエンナーレが盛んに開催され、美術の一分野として大きな注目を集めている。輸送が簡便であること、分かりやすい図像とテキストでコミュニケーションができることに加え、芸術的な豊かな表現やオリジナリティを持ち、さらに時代を息吹を感じさせるためという。今回は中国、韓国、日本のイラストレーションポスターに焦点をあて、300点に及ぶ作品を展示。西洋にはない、独自のスピリチュアルな表現を発見していく。東アジアのイラストレーションポスターがこれだけの規模で紹介されるのは、日本でも初めて。とくに中国建国初期や文化大革命のイラストレーションポスターは展示や研究自体がめずらしいという貴重なもの。秋には韓国・光州ビエンナーレに巡回する。

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