【思考する目】40「老木」 長島義明

Posted on 2月 3, 2008

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今、僕は一本の木を眺めている。と云っても写真の中に写っている老木です。
それは粉雪の舞う初冬のロッキー山中で見た木で、杉か檜か僕にはわかりませんが回りに立つ樹々を圧倒するほど大きく威厳のある木でした。太い幹はよじれ、いかにも長い年月を生きて来たと思わせる老木です。

 ここまで大きくなるには幾度の嵐に遭い、風雪に耐えて来た事でしょう。この場所は木が育つには決して良い環境とはいえません。山の尾根近くで風をもろに受ける所です。冷たい風雨にさらされ、強風に会い、吹雪で凍る時、この木は身を捩りながら耐えて来たのでしょう。そうでなければこうも太い幹がタオルを絞ったような姿をしている訳がありません。物言わぬ木ですが長い年輪を経たこの老木には誇りと尊厳が感じられ、堂々として媚びる事のない美しさを感じます。 「老い」はこのようにありたいものです。

 現在、僕はある出来事で気が萎えていました。若い時なら平気で乗り越えたでしょう。「老いる」と云う言葉を使い、どこか、そこから逃げていたようです。この写真の老木を見たくなったのにはそんな訳があります。

 老いても「老醜」だけはさらしたく無い、美しくありたい。 
 この老木の姿を見て、僕はそう思います。

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【思考する目】39「自然はアーティスト」 長島義明

Posted on 1月 30, 2008

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  寒い冬
  凍る谷川を見て僕はあらためて思う
  「自然にはかなわない」と

  その表情の豊さと美しさ

  薄く凍った谷川の表面
  その下に水は静かに流れていた
  さらに上流に行くと
  積もった雪の下に氷柱が垂れ下がり
  清水が激しい勢いで流れている

  手を川の水に浸けると
  指先から体全体に染み渡る厳しい冷たさ
  美はこうして作られるのだ

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【思考する目】38「記念写真」 長島義明

Posted on 1月 20, 2008

旅をするとさまざまな人に出会う。ここに公開した記念写真もそうだ。想像もしない人と出会い。
夜遅くまで彼の話を聞き、酒を飲んだ。
そして、酔っぱらったついでに記念写真を撮ろうと云う事になり、僕のカメラで写した。
僕はそれまで彼とも彼の仲間とも付き合いが無かったし、それ以後もない。
だいたい僕は日本の政治や政治活動には無関心である。しかし、人間にはすごく興味を持っている。

場所は北朝鮮の平壌 、僕の泊まったホテルに突然現れた彼。
日本の飛行機、よど号のハイジャック犯のひとりW氏

日本からきた人間と話すのが久しぶりだったのか、その夜の彼は饒舌であった。日焼けした顔で自分の仕事について話した。
僕が阪神大震災の事を話すと真剣に聞いていた。彼の息子に震災の事をくわしく教えたいと云うので、後に僕の写真集を送った。2ヶ月ほどして礼状がとどいた。犯した罪は別として、家族を愛する普通の父親である。

ある意味で僕より純粋な心の持ち主かも知れない。飲みながら話した会話の途中、彼の目が潤んできたのを僕は見た。
激しく、強い意志の持ち主である事も確かだ。日本に帰りたいと本音を話したのもその時だった。

いつか日本で酒を飲もうといって肩を組み記念写真を撮った。
当然、帰国して罪をつぐなった後になるだろうが。bwaio.jpg

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【思考する目】37「あれから13年、阪神大震災」 長島義明

Posted on 1月 14, 2008

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1995年1月17日阪神大震災、あれから13年の年月がたった。
忘れようとも決して忘れる事はない。つらい記録です。
1月17日の震災記念日が近づくと思い出します。
多くの写真と思い出をブログに書いています。
よければ、見て貰えますか。戦後最大の悲劇です。
ここに書くより、くわしく書いていますので。

http://web.mac.com/y.nagashima/iWeb/aki/E64DDAFE-2901-44EA-9403-C39A5D9B0AD9/7B27DF6C-BD5F-4B9C-B5A0-CD005CC6D9CC.html

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【思考する目】36「人間の海」 長島義明

Posted on 1月 6, 2008

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人は全て自分だけが特別な存在と思っている。親に対して、兄弟、姉妹に対しても、まして他人などは自分の事などこれっぽっちもわかってくれない。理解してくれないと思っている。実は僕自身そうであったし、今もそう思う時がある。

この地球上に何人の人間が存在するのか正確には知らないが、おそらく、そのほとんどの人もそう思い日々を暮らしているだろう。

僕らは他の生き物を見る時、どのように思って判断しているだろうか。犬、ねこ、カラス、鳩、猿、コウモリ。せいぜい犬やネコなど飼っている動物は優しい性格とか我がままなネコだとか単純な判断はするが、ほとんどは単に犬は犬でしかなく、ネコはネコでしかない。

人間の群衆を見るとき、僕は犬やネコと同じように人も単に人としか見る事が出来ない。大勢の人間が居るんだ。と云うぐらいだ。
極端な言い方をすると人間も他の動物と何ら変わる事無く、起きて食べ、排泄して食べ物を得るため働き又食べて寝るのです。そして成人になり異性を求め、SEXをし、子供をつくり、老いて死んで行きます。
それは他の動物と変わらない人間に与えられた役割です。それ以上でもそれ以下でもありません。
もしそれ以外にする事があるとするなら、それは時間のあまった閑を過ごす為にする事、たとえば音楽を聞く、テレビ、映画を見る、アートをする、哲学をする、政治を語る、他人の噂話をする、スポーツをする、ミクシーに日記を書く。どれも、ネコが毛をなめたり、猿がノミをとる行為とそんなに違いがありません。 様は閑をもてあますから行うのです。

リゾートホテルのプールで年配の女性がひとりバタフライで泳いでいました。
バタフライで泳ぐのは結構疲れます。しかし、その女性は昨日も今日も朝から泳いでいました。泳ぐことが彼女にとって、存在する理由のように。
見ているとひとりで宿泊しているようです。ホテルから出る事無く、ただひたすらに泳ぐその女性を見ていて、なんだか寂しくなりました。

おそらく彼女は思っているでしょう「誰も私の事をわかってくれない、誰も私の事をかまってくれない」「いいわ、私は一人で泳ぐわ、人間の海を」

人間は寂しい動物です。 僕も君も。

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【思考する目】35「寒い朝」 長島義明

Posted on 12月 31, 2007

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今日の大阪は一段と冷え込む。
師走。
寒い朝。
正月を迎えても家族に会えない多くの人がいる。

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【思考する目】34「暗殺」 長島義明

Posted on 12月 29, 2007

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昨日、パキスタンで元首相のプットさんが暗殺されました。
その報道で思い出した事があります。それは1984年、インドで暗殺された
インディラガンジー首相の事です。共に父親が首相であったこと。ブットさんのお父さんは1975年、軍事政権に処刑され、インディラガンジーの息子のラジーブ元首相も1991年暗殺されています。
 2人とも親子二代にわたり殺害されたのです。
インドとパキスタンは元々一つの国でした。イギリスの植民地から独立後、宗教上の理由から、国を3つに分割したのです。もう一つの国は東パキスタン、今のバングラディッシュです。
インドにしろ、パキスタンにしろ、どうして国のトップが次々と暗殺されるのでしょうか。不幸な事です。
 実は日本にとって、次世代でもっとも重要な国がインドとパキスタンである事はあまり知られていません。近い将来、中国の人口を抜いて世界一人口の多い国になります。そして急激に経済成長を遂げるでしょう。
また、アフリカにもっとも浸透している国もインド、パキスタンです。
暗殺と云う行為は単純に過激派が起こした事件とするには単純過ぎます。
常に大国の思惑がその裏に潜んでいる事を知る事が重要です。
その事はいずれわかるでしょう。
写真は「インディラガンジーの火葬」です。
左端に後に首相になり暗殺された息子のラジーブ、その奥さんで今のインド国民党党首ソニヤさんもインディラガンジーの火葬を見守っていました。

写真、文ー長島義明
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【思考する目】33「生命の神秘」 長島義明

Posted on 12月 20, 2007

漆黒の闇の中

創造の神は突然光りを放ち、虹色の帯を広げる

ドクドクと流す涙は生命の素

誰知ろう宇宙創造の姿を

僕は一枚の貝の中にそれを見たんだよ

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【思考する目】32「悲しい顔」 長島義明

Posted on 11月 9, 2007

ポルトガルのファティマの町で写真を撮っていた時に大きい顔の男性に出会った。
「可笑しいだろう、写真を撮ってもいいよ」
男性は僕のカメラを見て、声をかけて来た。
「誰でも僕の顔を写真に撮りたがるよ、こんな大きい顔はいないものな」
確かに異様に大きい顔をしている。
断る事も出来ず一枚の写真を撮らせてもらった。
しかし、何とも云えない悲しい顔をしている。
おそらく何かの病気なのかも知れないが、この男性は長い事、この大きくなった顔のせいで悩み苦しんだろうと思う。
眉間のしわと目が物語る寂しさ。
当日はマリアが奇跡を起こす日と云われていた。マリア信仰の祭典の日です。
男性は奇跡を起こすマリア像に願いを託すためにやって来たに違いない。
マリア像はかれの願いを聞き入れてくれただろうか。

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【思考する目】31「写真は語る」 長島義明

Posted on 11月 2, 2007

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ここに一枚の写真がある。アフリカの親子の写真。
彼女は侵略してきた複数の兵士に暴力を振るわれ、傷つき、侵され、父親もわからない子供を生んだ。子供に罪があるはずはない。生まれた子供はかわいい。たとえその父親が行きずりの兵士で暴力を振るわれ、そして生まれた子供であろうと愛情を持っている。
 人間の愛とはなんだろうか。
愛より強い自然界の生命力。種を残すため、子供を宿す力。それは人間の愛以前にある力。現代社会では愛を最も大切な物と位置ずけるが、それより力強い自然の営み。人もまた自然の一部でしかない。
だからこそ、「全ての子供は私の子供だ」と云った、チェ ゲバラの言葉に僕は共感を持ち、そのような世界になれば良いと思うのです。

写真、文ー長島義明
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