美術館に、“笑い”を。 とに〜
Posted on 5月 16, 2008
かつて、幾三さんが“俺らの村には電気が無エ”と言ったように。
僕も一つだけ言いたいことがある。
“美術館には笑いがない”、と。
どうも、美術館に行くと、
「有難〜い美術品なのだから、ちゃんと静かに、行儀よく、真面目に鑑賞しなければなりませんよ」
と、暗黙のうちに、要求されているような気がするのです。
喋るのはもちろんのこと、笑うだなんて、もっての外。
そんなことしようものなら、“廊下に立ってなさい”、と。
美術館に行く多くの皆さんは、何せ行儀が良いものですから、
風景画を見ても、肖像画を見ても、ウンウンと静かに唸っているわけで。
それどころか、全く意味の分からない抽象画を見ても、単なるポルノのようなヌード画を見ても、同じように、ウンウンと静かに唸っている。
「芸術は爆発だ!」という芸術家の作品を前にしても、これがどうして、やっぱり同じようにウンウンと唸っている。
芸術家がいくら爆発していても、鑑賞者は爆発しない。
…これって、ちょっと変なことではないでしょうか?
一体、いつから美術館は、こういう場所になってしまったのでしょうか。
思うに、昔は、鑑賞する人だって、ちゃんと爆発していたはずです。
美術館とは、もともとそういう場所だったに違いありません。
…どうして、そう言い切れるのか?
その理由は、ちょっと考えればわかります。
昔は、テレビもなければ、映画館もない、雑誌もなければ、マンガ本もない時代。
本の挿絵くらいはあったのでしょうが、美術館に行かなければ、どんなカラーの絵も見られなかった、そんな時代。
楽しい絵も、怖い絵も、笑える絵も、ちょっぴりHな絵だって、すべては美術館にしかなかったのです。
だから、当時の人にとって、美術館は何よりの娯楽施設だったはず。
かつて、美術館には、笑いや楽しげな話し声が満ち溢れていた―
そんなことを想像してみると、何とも楽しい気持ちになりませんか。
好きな画家の新作に出会えて、感動の声をあげる人。
面白い絵を見て、笑いあう家族。
ロマンティックな絵を見て、微笑みあうカップル。
しかし、今、そんな光景は、驚くほど、美術館では見られない…。
果たして、かつての“笑い”を失った美術館に、未来はあるのでしょうか。
だから、一人の美術好きとして。
そして、何よりも、一人の芸人として。
美術館を、もう一度、活気に充ち溢れさせてみたい。
さて、そんな機会を、横浜美術館に与えて頂けることとなった。
「美術展会場のど真ん中で、好きなことをしていいよ」とまで、言って頂けた。
今月の24日と25日。僕は、横浜美術館で一つの答えを出そう。
http://www.yaf.or.jp/yma/detail.php?num=0
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