【リ・名画 〜re-meiga〜】Lot 2 葛飾北斎作《神奈川沖波裏》  とに〜

Posted on 4月 17, 2008

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僕は今でも覚えています。

“永●園のお茶漬け海苔”の袋から、この《神奈川沖浪裏》が出てきた時のことを。

 

「やった〜!『波』の絵だ!!」

 

当時の僕は《神奈川沖浪裏》というタイトルは知りませんでしたが、この絵が有名な一枚であることだけは、なぜだか知っていました。

だから、僕はこのカードが出てきて、大喜びしたのです。

 

それは、プロ野球チップスを開けたら、西武のデストラーデのカードが出てきたのと同じくらいの嬉しさでした。

Jリーグチップスで言うならば、ラモス瑠衣のカードが出てきたくらいの嬉しさです。

さらに、ビックリマンチョコで言うならば、ヘッドロココのシールが…

さすがに、もういいですね。

 

まぁ、とにもかくにも、それくらい嬉しかったということです。

 

 

そんなわけで、子供の頃からの長い付き合いである《神奈川沖浪裏》。

もうすっかり見慣れてしまった感はありますが、例によって、もう一度、まっさらな気持ちでじっくりと見てみようではないですか。

 

 

さてさて、どうしたって、真っ先に目が行ってしまうのは、やはり“波”。

この迫力は、本当に尋常ではありません。

 

しかし、この波。

よくよく見ていると、波というよりは、怪物のように見えてきました。

富士山をも飲み込もうかとするほどの巨大さで。

飛沫の部分が、どうにも爪を立てた手のようで。

ゴジラやガメラの新たな敵となり得るほどの波です。

 

「いやぁ、やっぱり、自然って凄いなぁ(^^)」と、お決まりの感想を、改めて感じさせられたところで、今回はお開き…としたかったのですが、

 

「?!」

 

波ばかりに気を取られて、肝心な部分を見落としていました!

とりあえず、「いやぁ、やっぱり、自然って凄いなぁ(^^)」という前言は撤回です。

 

そんな悠長な感想を抱いている場合ではありませんでした。

 

今まさに、この怪物のような波に、舟ごと飲み込まれようとしている人々がいるではありませんか!

よく日テレでやっている『衝撃映像!○○99連発!』みたいな特番でも、ここまで悲惨な映像はお目にかかれません。

 

そんな絶体絶命の危機に彼らが見舞われているというのに。

「凄い波だ!」「あんなところに富士山♪」などと、よく言えたものです。

大反省です。

 

とにかく、彼らの無事を祈りましょう。

しかし、時は江戸時代、たまたま通りがかった大型フェリーに救助されるだなんて展開は、まず期待できません。

ヘリコプターが助けに来るということもなければ、海猿が助けに来ることもないのです。

 

そう。見てわかるように、彼らが出来ることと言えば、皆で一か所に固まって、頭を下げて重心を低くすることだけ。

 

 

…って、それ、何の意味があるのでしょう?

あんまり意味ないと思うけどなぁ。

いや、絶対ないっ!

 

 

というか、そもそも、何でまたこの人たちは、こんな軽装備で、大荒れの海に、しかも沖まで船で出る必要があったのでしょうか。

そこで、一つ気になるのが、皆がお揃いの服を着ているとこと。

 

 

はっ!

もしや、島流しにあった囚人たちなのではないでしょうか。

ということは、この船は、今で言うところの囚人護送車。

 

じゃあ、波に襲われるのは、いわば天罰のようなもの。

だからこそ、この波はこんなにも怪物のように怒っているのかもしれません。

 

う〜ん。何だか心配して、損しました。

 

 

 

まぁ、何にせよ。

今後、“永●園のお茶漬け海苔”の袋から、この絵が出てきたとしても…、

素直に喜べなくなったことだけは確実です。

Filed Under 【リ・名画 〜re-meiga〜】

★著者: 大山 敦士
★自己紹介:アートテラー。 美術の「エンターテイメント」化を目指して、blog・mixiを中心に啓蒙活動中。 現在は横浜美術館と提携し、独自のガイドイベント等の活動にも積極的に取り組んでいる。 "難解”“堅苦しい”と思われがちな美術を、独自の視点・語り口で、よりわかりやすく、より親しみやすく、そして何よりも、より面白いものにと変えていく。 "とに〜の美術展へ行こう!blog”のURLはこちら↓ http://ameblo.jp/artony/ メッセージは、こちらまで↓ tonybijyu83@yahoo.co.jp
★記事データ:掲載日 2008/4/17 at 12:02:34
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