スウィートな手紙 Colleen - Hauschka  高橋キンタロー

Posted on 1月 31, 2008

hauschka.jpg

Colleen - Hauschka/コリーン-ハウシュカ
1/28ドイツ文化会館ホール
http://www.windbell.info/evnt_clnhaus.html

ヴィオラ・ダ・ガンバというチェロに似た古楽器を操るColleen
/コリーン(低音域を広げるために弦が7本ある!)クラシッ
クと現代音楽の狭間を彷徨いながら、その音楽は可憐で新鮮、
慎ましいようで贅沢。ミキシングを多用したエレクトロニカな
アルバムもあるけどこの日は静かに抑えられた新譜からの展開
中心、生の楽器の振動が直接肌に伝わる。
http://jp.youtube.com/watch?v=_ctVdz5ooFk&feature=related

ジョン・ケージが始めたといわれる「プリペアード・ピアノ」
を演奏するHauschka/ハウシュカ。
(プリペアード・ピアノとは、ピアノの弦に木、金属、ゴムな
どを挟んだり載せたりすることでその音色を打楽器的な響きや
金属的な音、ノイズなどにしてしまうことらしい)
演奏中いくつかのキーを弾くと音がこもったりかすれたり、あ
るいは打楽器や弦楽器のようになる。つまり一本の美しい線が
途中でかすれたりにじんだりするようなもので、最初は耳障り
な雑音まじりの音楽のように聴こえるが、その音を見つけなが
ら即興的に組み立てていくうちに(ピアノに手をつっこんで弦
を直接はじくことさえある)複雑で饒舌な音楽に変わっていく
。アルバムを聴くとたくさんの楽器をミキシングして作られた
ようにしか聴こえないが、つまりはピアノひとつ、一度の演奏
で録音されていることになる、すごい。
覚醒とやすらぎが同時にやってくる感じ。難しくもないしポッ
プでさえある。ぼくは深く入り込んでしまうのだけど、聞き手
ひとりひとりに違う聴こえ方がありそうだ。
http://jp.youtube.com/watch?v=pJVEWYRM6eg

クラシックや現代音楽、環境系からたどりついた人、ポップ、
エレクトロニカからやってきた世代、ぼくのようにパンクの脈
絡からたどりついた人間などが入り交じったささやかで美しい
ひととき(画像は終演後に思わず舞台に上がってピアノを覗き
込む観客達)

コリーンのアルバムのライナーに書かれた一文から主催者の富
田さんがコンサートを実現させることになった思いが伝わりま
す。ビジネスとは違う音楽の世界が(地味で人知れず、でも最
高な)あることを知ってほしいので転載します↓
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2006年2月のある日、コリーンが日本にやって来て、ブリジッ
ト・セイント・ジョンと一緒にツアーをしている情景を夢に見
た。2枚目のアルバム「the golden morning breaks」は聴くご
とに特別な作品となっていくのを感じていたけれども、彼女に
メッセージを送るようなことはしていなかった。これはいい機
会かもしれないと思い、こんな夢を見たのだけど、ブリジット
との日本ツアーに興味はありますか?と書いたメッセージを午
前中に書き、送ってみた。今、読み返すとツアーに関する具体
的なことや自分のことなども充分には書かれていない、無視さ
れても仕方がないものだったが、その日の夕方、彼女から返事
があった。「どうやら私たちは同じ夢を共有しているようね」
と書かれた一文で始まる長文で、!マークだらけのそれはそれ
はスウィートな手紙だった。もう後戻りはできないと思わせる
に充分なものだった。<後略>

Filed Under その他, Review

★著者: 高橋キンタロー
★自己紹介:イラストレーター/強い日射しだけの記憶が思い出を左右する事があるように、多くの情報に頼らないで、蓄積された記憶やひらめきを呼び起こすような表現をめざします。 http://www.c-channel.com/c00205/ 本業の他、海外ミュージシャンのコンサート企画にも参加しています。
★記事データ:掲載日 2008/1/31 at 11:10:33
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