ママによるア−トについて、私の場合。 山條千穂

Posted on 1月 22, 2008

子供が生まれて以来、ママになってみると、この世の中の景色が違って見えること、自分中心にまわっていた世の中が突然、子供中心に回っていくように感じられるという経験は子をなした母なら必ず味わう出来事だと思います。

抱いた新生児のおっぱいくさいその匂いが、どんなにいとおしい匂いであることか。
おっぱいを飲む新生児のウンチが意外にも、ご飯の炊きあがる時のあの香ばしい匂いにそっくりなこと。
何年も住みながら子を生むまで気づかなかった近所の公園にたわわになっているやまもも。その落ちた実を小さな手でつまんでいる幼子の目の輝きの美しいこと。
そして幼子が、みつけて欲しくない部屋の隅の埃を手につまみながら、美しいものをみつけた時同様、その目を輝かせていること。

いやおうなくやってきた子供目線の世界の始まり・・・。

美しいものから、とんでもないものまで、子を通して日々見せられ、感じさせられ、いろいろなことに敏感になる母の感性。

自分の足で歩み始めたこどもは、公園に落ちている木々を拾い集めて砂に延々と立てて遊ぶことに夢中、そして幼稚園に入れば、毎日のように帰りには手に握られている面白い形の石ころ、家の中でも、ゴミ箱の中から何かをつくるためにごみ箱をひっくり返す、そんなこどもの感性を目の当たりにする毎日。

へぇーーそんなものが・・・。へぇーーそんなふうに・・・。へぇーーそんなに好きなわけ・・・。

子供を喜ばせたい一心で、目を輝かせるおもちゃや絵本って何?素晴らしい環境を整えてやりたいなんてやっきになっていた時期もあったのですが、今では、どんなものを与えられるか、そしてこどもの美術教育なんてお堅いことではなく、子供の心に引っかかったものにのっかって、一緒に面白がって楽しんで・・・そんな毎日の繰り返し。

自分の幼い子供時代を振り返っても、何が一番楽しかったってそれは誰にも邪魔されないひとりの時間で、頭をフル回転して大真面目にいろいろ考えながら遊んだこと。

わが子をみていても然り。

自分の好きなことを、強烈に追求する3人のこども達に囲まれた生活をしているせいでしょうか。
依頼主さんから依頼を受けてその希望に添うように作ることが中心だった私の物づくりも
もっと自分の好きなことを自由に、子供と同じように自分の心を喜ばせるために追求したい!というと気持ちに変わっていきました。
そして今現在、自分の中では小さい頃から大好きな道具であったはさみを使って布を切って縫ったり貼ったりしていくという布絵が、何よりも一番大好きな物づくりなのです。

作っているときは完全に自己満足の世界ですが、拙い作品を目にとめてくれる人がいること、何よりもわが子がその制作過程をみたがり、そしてその出来上がりを喜んで眺めてくれることもおおいなる喜びです。

こんな自己流のアートな楽しみですが、若かりし頃、少しでも仕事として子供の幼児教育に携わった経験がある者として、そして3人の子をなして思い描くのは、いつしか何かこどもの心に届くようなメッセージを布絵や絵本などにして届けたい!という夢です。

アートの世界にどっぷりと活動してきたバリバリのアート系ご出身のママアーティストの方も世の中たくさんいらっしゃることでしょう。
かたやママとなり必然的に手作りをしなくてはならない場面に遭遇し、アートに目覚める方もきっとたくさんいらっしゃることでしょう。

私はあきらかに後者、しかも、首を突っ込みはじめたばかりのひよっこですがこのアートの世界を遅ればせながら、うんとこれからどっぷり味わってみたいと思っているママです。

芸術家の家でなく、身近にアーティストがいたわけではない私が育った環境のですが、日々のくらしのなかで、さいわいにも、幼い頃からアートを感じる心は存在しました。

DRAGON ART CREATOR’S REVIEW創刊の言葉にあります
「美は遠いところにあるのではありません。美は専門家のものでもありません。」

この言葉は、どんなにか今の私を励ましを与え、勇気付けてくれていることでしょう・・・・。

私自身も子供も、この生活の中で、すべての人誰しもが与えられているその人だけの感じ方、表現、感性というすばらしい賜物を大切にしていけたら・・・と何よりも思う毎日なのです。

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Filed Under 作品

★著者: 山條 千穂
★自己紹介:山條千穂 自称、布フェチ。 子供のいる生活をこよなく愛してはいるが、 3人の子供が寝静まってからの、睡眠時間を削っての物づくりの時間が今は至福の時。
★記事データ:掲載日 2008/1/22 at 10:41:39
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