【思考する目】19 長島義明

Posted on 6月 1, 2007

38度線、01

線を引く。この行為は人間だけのもの。紙の上に、地図に、大地に線を引く。
東西ドイツを分ける為に引かれていた線はベルリンの壁だった。その壁が人間の意志により壊され、線はなくなり東西ドイツは統合された。ソ連が崩壊して、新たな線が引かれ、多くの新しい国が誕生した。チィチェン、トルキスタン、リトアニヤ,ラトブィア、エストニア、など。
アジアに残る線、朝鮮半島の38度線。僕はこの線を写真に納めたくて、96年の5月に北朝鮮に入った。板門店で見た38度線、50cm幅のコンクリートの帯。美しくもない、実につまらない線であった。その線を境に北朝鮮と韓国の兵士は対峙していた。
ソ連とアメリカの代理戦争、それが朝鮮戦争だった。その休戦協定の為に引かれた38度線。過去の遺物。それがまだ生きていてさまざまな問題を引き起こしている現実。核問題、拉致問題。日本も無縁ではない、汚物が流れる蓋のような38度線のコンクリートの帯。

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★著者: 長島義明
★自己紹介:日本及び世界の人々、風景を40年以上撮り続けるフリーの写真家。著書にアメリカで出版された「One World One People」 「One World One Child」、「阪神大震災」、がある。 写真展「平和だった頃のアフガニスタン」は日本各地で30回以上開催。アメリカ美術雑誌協会最優秀賞受賞
★記事データ:掲載日 2007/6/1 at 12:26:26
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