【左のポケット】その2「犬の立ち話」 長島義明
Posted on 5月 26, 2007
「やぁ、ご主人お久しぶり、長い事お会いしておまへんが、どないしてはりましたん。」
「いや、ちょっと入院してまして—-。」
「そう云うたら、ちょつと顔色悪おまんな。肝臓でっか。」
「それもありまっけど、ポリープが胃に出来ましてな、それ切ってもらいましたんや。」
「大変でんな。最近不景気が長引いて、ストレスも溜まり、胃も肝臓も悪い人多なりましたな。」
「ところで、これからどこかへ、お出かけでっか。」
「へぇ、梅田え行きまんねん。知ってはりまっしゃろ、最近、ハービスの側にブランド物の店がいっぱいあるビルができたん、そこえ行きまんねん。別に買うつもりありまへんねんけど、それから、デパートへ行って、なにか美味しいもん食べよ。おもてまんねん。」
「そら、よろしいな。お一人で——。」
「いや、武田さんの奥さんと——。ひやぁ、待ち合わせの時間に遅れるわ、ほな、失礼します。」
「女て、ええな。なんのストレスも持つとおれへん。長生きしよるはずや。」
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