アイスダンスの楽しみ 林みず枝
Posted on 5月 25, 2007
アイスダンス。
間違いなくスポーツの1ジャンルであるのに、これほどスポーツっぽくない競技もめずらしい。
男女シングルのジャンプやスピンのように、アイスダンスにもリフトやツイズルやステップシークエンスといった必須要素がある。しかし、ダンスの場合、演技の中に技術を感じさせないほうが洗練させて見えるし、実際に上位はそんなチームばかり。
しかし、これだけフィギュアスケートブームであっても、アイスダンス好きは少数派。それは、テレビで放映されることが少ないから。日本に男女シングルのようなメダル圏内のアイスダンス選手がいればまた違ってくるのだろうけれども、それにはまだまだ時間がかかりそう。
よって、日本にアイスダンスファンが増えていくかどうかは未知数だ。
今のうちに見ておくと通っぽくていいかもしれませんよ。
どう見ていいのかわからないという人もいましょうが、ここは氷上のダンスとして、心をダンサーたちにゆだねて素直に見るのが楽しいと思う。ドラマチックだったり、おしゃれだったり、セクシーだったり。上位チームは、尊敬すべきすばらしいアーティストばかりですから。
さて、今年私がいちばん好きだったプログラムはこれ。
3月に東京で行われた世界選手権で6位に入ったTessa VIRTUE / Scott MOIR(テッサ・ヴァーチュー&スコット・モイア)。
なんだメダリストじゃないのかとあなどるなかれ。
彼らは17歳と19歳。昨シーズンには世界ジュニア選手権のチャンピオンだった。
20代後半の選手も多く、経験で得点を積み重ねていくところがあるアイスダンスの世界で、ジュニア上がりの10代の選手がいきなり翌年シニアの世界選手権で入賞するというのは、驚異的なことなのだ。
このプログラムも、試合を重ねるたびに技術を上げ、洗練されていっている。
世界選手権の現地では、この演技に観客が釘付けになり、メダル争いの一つ前のグループだというのにたいへんな拍手喝采だった。今度の世界選手権で、私がこれほど心を動かされたプログラムはなかった。
Tessa VIRTUE / Scott MOIR フリーダンス「悲しきワルツ(シベリウス)」
もともと劇音楽として作られたこの曲にはストーリーがある。
「死の床にある主人公の母親のもとに死神がやってくる。母親は夢の中で若き日の姿の少女になり、死神を初恋のボーイフレンドか若き日の夫かと思い込んでワルツを踊り、微笑みながら息絶える。」
http://www.youtube.com/watch?v=wGbj0dc87wM
いかがでしょう。情景が見えますか?
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今年3月のフィギュアスケート選手権(東京体育館)には4日間通い詰めました。一生のうちですてきな思い出を3つ上げろと言われたら、これが入っちゃいますね。今のとこ。夢のようだったなあ。
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