押上の「長屋茶房 天真庵」

Posted on 5月 18, 2007

出不精なので出かけるときは30分圏内が望ましいのだが、そういう私が小一時間かけてこの押上の店には通っている。
お店の庵主である骨董好きの野村栄一さんは、もともと私のご近所さんだった。12年くらい前から、板橋駅近くの自宅の一部を使って「画廊 天真庵」をされていた。本業の会社経営がまずあり、兼業でギャラリーというところからスタートしたかと思うが、次第にこのギャラリーにいろんな人が集まるようになり、忙しくなっていったようだ。私もその集まっていた一人だ。最初に知り合ったのはインターネットの世界。インターネットというのは時々地球を1週してご近所の縁を届けてくれるものなのだ。

その野村さんが、「古い長屋を改装してカフェをやることにした」と言い、ブログで改装状況をアップしはじめた。改装やインテリアにかかわる人たちは、今までの野村さんのギャラリー生活での人脈の総決算。今日は古いミシン台を改造したテーブルができた、今日は壁の中から古いでかい金庫が出てきたけど開けられない、王貞治さんも通っていた近所の居酒屋が解体されてそこのカウンターをもらってきた、近くのきらきら橘商店街には無休でコッペパンだけを焼いている店があって50円払うとピーナッツバターかイチゴジャムを塗ってくれる。そんなことを毎日聞いていれば、これは出かけたくなりますよね。新しい店がめずらしい押上の住人たちにもたいへん期待されたようだ。

ということでニュー天真庵は、今年の3月にオープンした。
新築したほうがよほど楽に思えるような再生をした意義は大いにあって、周囲に溶け込んでいる古い外観は、とても新規開店の店とは思えない。外のプランターにまだ植物が間に合っていなかったり、中に入れば補強のためにバッテンに打ち付けた板が妙に新しかったりするところも面白い。前述の作り付けの大きな金庫には昔の帳面が入っていたらしいが、今ではコーヒー豆が入っている。
改装にかかわった何人かのアーティストは、押上が気に入って住み着いたらしいです。押上モンパルナスとなるか。

ところでお店のカウンター席というのはそれほど居心地がよくないものだが、この店は別。木曽に工房を持つ般若芳行さんが藤で編んだ、すばらしくすわり心地のいい藤椅子があるのだ。私の長居の原因のひとつはこの椅子。この店の木に関するものはほとんどがこの般若さん作。
天真庵で今度、その般若さんの個展があります。天真庵の2階はギャラリーなのだ。
5月25日(金)から31日(木)、11時―19時まで。機能的で美しいものがたくさん見られるはず。

長屋茶房 天真庵
http://www.tenshinan.jp/cafe/

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インターネットは人の縁を届けてくれるから好きです。
押上には第二東京タワーができるそうですが、いまだにそれがどこかよくわからない。できたら押上も変わるのかしら。

Filed Under 展覧会

★著者: 林みず枝
★自己紹介:趣味のために生きてます。公よりも私を優先させてます。 一生これで生きられたらいいのに。
★記事データ:掲載日 2007/5/18 at 20:11:06
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