【思考する目】4 長島義明

Posted on 5月 14, 2007

母なる海—–ゼロを描く珊瑚礁

海は生物全ての母である。僕はヒマラヤの山中でアンモナイトの化石が無数に転がっている谷間を歩いた事がある。卵形をした20cmほどの石を割るとアンモナイトの化石が現れる。インドの北、ラダックでは女性が赤い珊瑚の首飾りを何重にもしている。山で取れる珊瑚の化石である。アメリカ、ロッキー山脈で三葉虫の化石が取れる。三葉虫の化石は世界中で発掘されている。
アンモナイトと云い、珊瑚と云い、三葉虫と云い、皆、海の生き物である。ヒマラヤもロッキーも古代には海の底だった。その証が化石だ。僕は人間を含めたあらゆる生物は海から誕生したと思っている。全ての生物は水分なしでは生きられない。その水こそは海に生息していた証ではないのか。
そう思うと空から眺める珊瑚礁の海はミステリアスで、今後、長い年月を経てどのように変化するか想像すらできない。地球は確実に変動している、ゆっくりと長い年月をかけて。温暖化も人為的な物がもたらした事ではなく、もっと大きい地球規模の変動の現れだと、僕は思っている。
この海が大陸になる、と、誰が否定出来ようか。海に浮かんだサンゴ礁のゼロの記号は無限に通じる記号でもある。

Filed Under 【思考する目】

★著者: 長島義明
★自己紹介:日本及び世界の人々、風景を40年以上撮り続けるフリーの写真家。著書にアメリカで出版された「One World One People」 「One World One Child」、「阪神大震災」、がある。 写真展「平和だった頃のアフガニスタン」は日本各地で30回以上開催。アメリカ美術雑誌協会最優秀賞受賞
★記事データ:掲載日 2007/5/14 at 11:34:12
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